昔々、人々の穢れを喰らう聖女とそれを守る騎士がおりました。
聖女は街の人々を守るため人の呪いや病気といった災いを穢れを食べていました。
しかし穢れを食べ過ぎたせいか聖女の周りの草木や花や作物はだんだん枯れていきました。
いつしか街の中にはモノを枯れさせる聖女をひどく罵る者も出てきました。
騎士はとても怒りましたが聖女は街の人を責めないでほしいと言いました。
モノを枯れさせる自分が悪いと…聖女から笑顔がだんだん消えていきました。
騎士は考えました、
聖女を泣かせる全ての者を叩き切ろうとも思いましたが、それでは余計聖女を悲しませてしまう。
騎士は考えて考えて…
決して枯れない鉄でできた花を聖女に送りました。
聖女は近づいても枯れない花にとても喜びました。
聖女に少しだけ笑顔が戻りました。
聖女が涙を流すたび、騎士は鉄の花を捧げいつしか街は枯れない花でいっぱいになりましたとさ。