綿篠、覚えているか いつかお前がウサギだったころ
新芽の四ツ葉のクローバーをひとつだけ贈った事。
お前が人間になって、四ツ葉のクローバーがどんな意味を持つかを知った日に
やさしいお前は私にそれを採りに行ってくれた。
うれしかったよ。
私がいけなかったんだ。
気付いたらお前が傷だらけで血でまっ赤になっていた。
傷つける気はなかったんだ。
私がお前を人間にするために
私は人ではないものにならざるをえなかった。
お前を救いたいというエゴしかなかった。
お前を愛する感情はただの凶器に変わってしまう。
お前はあれ以来あまり笑わなくなってしまった。
あの時のように四ツ葉のクローバーを渡したとしても
お前は二度と喜んではくれないんだろうな。
私の事は許さなくても良い。
私はお前がいるだけで、それだけで。
タグ: