イラスト小説「それでも太陽は赤く染まる!」の続きです。版画を用いています。よろしくお願いいたします。<(_ _)>
新学期のクラス表をみて一安心した等(ひとし)。緊張ほぐれ気味で肩を抜いたのもつかの間、そのとき背後に優しい香水のような香りの気配がして振り向きざま肩にぽんと手を置かれた・・・。
第3回 「春のぬくもり!」
ふいに肩に手を置かれて振り向くひとし。
それはなじみのある顔、同じそろばんや習字教室でいっしょになる西園寺(さいおんじ)さやかだった。今年中学1年になりひとしと同じ中学なのだ。おしゃれ好きのさやかは明るくて人見知りのない性格のせいか気軽に声をかけてくるひとしにとっては自然体で話すことのできる、安心できる存在だ。ちょっと謎のところがあるしぐさを感じさせる彼女をひとしはとっても気に入っている。
おしゃれ好きのさやかは明るくて人見知りのない性格のせいか気軽に声をかけてくるひとしにとっては自然体で話すことのできる、安心できる存在だ。ちょっと謎のところがあるしぐさを感じさせる彼女をひとしはとっても気に入っている。
ひとし
「わっ!びっくりした。\(◎o◎)/!」
ひとしがわざとっぽく驚いてみる。
さやか
「ハハハッ、今年から学校一緒だね。」
(さやか)さらさらな茶色い長の髪を風になびかせながら。
さやか
「めっちゃ久しぶりじゃん。ひとし、あたしが入学式の日いなかったでしょ。探したんだよいっぱい。」
ひとし
「ごめんインフルエンザでずっとうちで寝てた。」
さやか
「そろばんにもぜんぜん来てなかったから、すっごい退屈だったんだよあたし。」
その言葉で心がポッとあたたかくなるひとし。自分を気にかけてくれる、必要だと言ってくれる人がいるという事は嬉しいものだ。そうして、ひとしは思わず照れ隠しの今日初めての笑顔をみせるのだ。